どこまで水に溶けるの?
理科室での実験を思い出してみる
様々な成分を「溶かす」ことが水の優れた特性であることは、前回お話ししました。そうは言っても、水は何でも無尽蔵に溶かせるわけではありません。
皆さんは、子どもの頃理科の授業で行った、食塩を水に溶かす実験を覚えていますか。
はじめはかき混ぜるとすぐに透明になっていたのに、次第に溶け残り、ビーカーの下に溜まってしまいます。でもこれを火にかけて熱すると、残っていた食塩がキレイに溶けました。
水にどれだけものが溶けるかを示す「溶解度」を調べてみると、1気圧で室温20℃の場合、水1リットルに溶ける食塩は358.9g、沸騰させて100℃になると389.9g 。
「塩は水に溶ける」とはいっても、その量は温度や気圧によっても変化するし、溶け込ませる限界は物質ごとに決まっていることを、改めて確認しました。
濃度の高い水素水が飲みたい・・・
なぜ「溶解度」に興味を持ったかというと、水素はどれだけ水に溶けることができるのか、気になったからです。
水素が美容や健康に役立つことは医学の世界でも注目されていますが、これを私たちが安全かつ手軽に摂るには、水に溶け込ませた「水素水」を活用するのがいちばん。
そうなると『できるだけ濃度の高い水素水を選びたい』と思う方も多いと思います。実際に探してみると、市販されている水素水には濃度が0.2ppmほどのものから7.0ppmの超高濃度まで、とても幅広くあることに驚きます。
そこで、水素研究の第一人者である太田成男教授に伺ってみたころ、1気圧における水素の溶存率は【1.6ppm】が限界だと教えくださいました。
つまり、圧力をかけるなどして大量の水素を溶け込ませたとしても、封を切って飲むまでキープすることはできない、ということです。
とても残念ですが、自然状態で最大とされる1.6ppmを約束してくれるメーカーのものが信用できるのかもしれませんね。