水のコラム

美容ライターが綴る
水の健康・美容コラムです。

水が作るエネルギー

蒸気に代わって登場する水力発電

前回に引き続き、水が持つエネルギーの活用法についてもう一つ。
水を加熱して生まれる「水蒸気」を活用した蒸気機関は、とても成熟したシステムでした。ただ残念ながら、ボイラーとピストンが別々に必要で、膨大なスペースを用意しなければなりません。また、蒸気を生み出すには、大量の水と燃料としての石炭もいるため、重量も大きくなります。このため、鉄道や自動車のような移動体のニーズが高まるに従い、徐々に主役の座から後退していきました。
蒸気機関に代わって登場し、世界を変えた画期的な大発明が「電気」です。電気は磁石をコイルの中で動かすことで発生しますが、この原理を「電磁誘導」といいます。この原理に基づき、水が落ちる力を利用して重い磁石を回転させ、電力を発生させるのが「水力発電」です。
ここで利用されるのは、水が持つ「位置エネルギー」です。河川や滝といった水風景がなければ水力発電も生まれなかったわけですから、水の力なくして電気は普及しなかった、と言えるかもしれません。

滝のエネルギーを活用した、世界初の商業用発電所

世界で初めて商業用として稼働したのは、アメリカのナイアガラ瀑布の落差を使った水力発電所だといわれています。その風景を思い浮かべるだけで、水が持つエネルギーの大きさがリアルに感じられますね。
ちなみに、同じ頃、発明王として知られるエジソンは「直流」を使った商業電力の供給を提唱していました。しかし、回転する磁石とコイルで作り出される電力は「交流」です。直流の電気は、交流と比べると簡単に変圧できない、という弱点がありました。今日では、水の力だけでなく、ガスタービンを使った火力発電などもありますが、いずれも作り出される電気は交流です。
つまり、ナイアガラ瀑布を利用した水力発電所を企画したウェスチングハウスは、発明王エジソンに勝利したのです。