水のコラム

美容ライターが綴る
水の健康・美容コラムです。

水が持つエネルギー

蒸気機関車

約2千年前から注目されていた「水蒸気」

水は私たちの生命の根源であるとともに、そのエネルギーは、人類の文明に大きく貢献してきました。
たとえば、水を加熱すると発生する「水蒸気」。水1リットルは、沸騰させると1,700リットルもの体積に膨張します。この急激な体積の膨張を圧力に変え、その圧力でピストンを動かし、さらに回転運動にする装置が「蒸気機関」です。

ジェームズ・ワットによる蒸気機関の発明は、イギリスの産業革命を牽引した画期的な出来事として知られていますが、実は、その原理は1世紀の古代アレクサンドロスの数学者によって発明されたものだといいます。もっとも、これが実用段階に入るのは18世紀になってからのこと。蒸気の十分な力を得るために、その蒸気圧に耐えられる丈夫な蒸気釜が必要で、またそれに対する破裂や蒸気漏れを防ぐことが、非常に難しかったようです。

時代を牽引し、やがて衰退した「蒸気機関」

蒸気の力を初めて実用化したのが、イギリス人のトーマス・ニューコメンです。彼は、蒸気が湧いているところに冷水を吹き込んで急速に冷却し、蒸気が水に戻るときに起こる「真空減圧」を使って、ピストンを吸い上げる方式を考え出しました。この方式だと、蒸気釜自体の圧力はそれほど高くする必要がないため、ついに商品化にこぎつけたそうです。

一方で、ニューコメンの発明には、「効率が悪い」という欠点がありました。これを解決したのが、ワットです。彼が考え出した蒸気機関は、蒸気を冷やすために直接水を吹き込むのではなく、「復水器」という仕組みを使います。復水器は菅の中を水が通って蒸気を冷やすため、シリンダーは常に高温に保たれ、蒸気を効率よく作り出すことができます。この発明により、産業が飛躍的な進化を遂げたのは、誰もがご存知の通りです。