水のコラム

体内の水不足は美肌の危機

私たちの体内は、約６割が水分で占められ、そのうち約２リットルが毎日入れ替わるといわれています。「健康のために、１日２リットルの水を」と言われるのは、その数値に基づいた話です。
汗をたくさんかく夏は、水分補給が大切だというのはわかりますが、冬も１日２リットルもの水を飲む必要があるのでしょうか。汗をたくさんかかないので、あまり水分は必要ないのではないかと思う方も多いと思います。

しかし、冬こそ水分補給がとても重要だとご存知でしょうか。なぜなら、外気温が冷たくても体は汗をかきますし、呼吸をするだけでも体内の水分は排出されていきます。冬は空気が乾燥しているので、体内で使われる水分以外にも、体の表面から奪われる水分が増えるそうです。

水は、体液として栄養や酸素を全身に届ける役割を担っているため、体内の水分が不足すると体の各部に不調が生じることも。とくに、体の一番外側にある肌は、食事などでとり入れた栄養や水分が最後に届く場所だといわれています。空気が乾燥して肌表面から水分が奪われる時期に、内側からの供給も滞ってしまっては、肌にとって危機的状況と言えるでしょう。

 代謝を高めて体を温める働きも

冬場に水分摂取が少なくなる原因として「水を飲むと体が冷えるし、トイレが近くなるのであまり飲みたくない」という方も少なくないようです。外出が多い方や仕事環境によっては、その気持ちも確かにわかります。しかし、トイレに行かないということは、体内の老廃物が排出されないということなので、美容と健康に悪影響を与えることは間違いありません。

さらに、水は『エネルギー代謝＝熱を生み出す仕組み』に深く関わっています。つまり、体が冷えるからといって、水分補給を怠っていると体内のエネルギー代謝が落ち、かえって体を冷やしてしまう可能性があるのです。
近年、若い女性を中心に「低体温」が問題視されていますが、人間は、体温が１度下がると免疫力が約３０％低下すると言われています。冷えが気になる方は、常温の水や白湯（ひと肌程度に冷ましたお湯）で水分を補給すると良いでしょう。
乾燥や冷えに負けずに、冬を温かく元気に過ごすためにも、たっぷりの水分補給をしていきたいですね。