溶かして届ける水
水とともに体の隅々まで行き渡る
水の優れた能力のひとつに、ものを「溶かす」という特性があります。
水に塩や砂糖を入れてかき混ぜると、あっという間に塩や砂糖は見えなくなります。これが、いわゆる「溶ける」という状態。実際、自然界に存在する水には、様々な成分が溶け込んでいます。
極端な例をあげれば、海の水に溶け込んでいる元素は実に60億種以上。
つまり地球上に存在するほとんどすべての元素を含んでいるわけで、まさに「生命のゆりかご」と呼ばれる所以ですね。
もっと身近なところでは、私たちの体の中を流れている血液も90%は水分であり、ここに様々な栄養や成分を溶かし込んでいます。体の隅々まで栄養が行き渡り、元気に生活できるのは「水の働きのおかげ」と言えるかもしれません。
いらないものまで溶けてしまうことも?
私たちが日常的に利用している水は、基本的に無味無臭で色もついていませんが、実際にはミネラルや塩素など、水分子(H2O)以外の様々な成分を含んでいます。
この成分が水の味を左右しているのはご存知のとおり。不純物を可能な限り取り除いた「純水」は、飲んで「おいしい」と感じるわけではなく、健康のためにいいというわけでもありません。
ただ、この「溶かす」能力の高さがマイナスに作用することもあります。いわゆる「水が腐る」という状態です。暑くなると、水が臭うことがありますが、これは自然界に生息する微生物などが溶け込み、繁殖してしまったことが原因と考えられます。ペットボトルのミネラルウォーターも、飲みかけで放置しておくと腐ることがあるので、要注意。
また、自宅やオフィスでウォーターサーバーを利用する方も増えていますが、こちらも同様です。管理が不十分だと雑菌が繁殖することがあるので、夏場は特に、メンテナンスに気を配ることをおすすめします。