水資源の豊かな日本は「軟水の国」
「硬い水」は体に負担がかかる?
前回、このコラムで書いたようにミネラルウォーターの味を左右する「硬度」とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムの量によって算出されます。
具体的な考え方は国によって異なりますが、0〜120mg/リットル未満を軟水、120mg/リットル以上を硬水とするWHO(世界保健機関)の水質ガイドラインが目安になるでしょう。
一般に、日本の天然水の硬度は高くても100mg/リットル。
これに対して海外の天然水は300mg/リットルくらいが一般的で、中には1500mg/リットルという超硬水もあります。慣れの問題もあるかもしれませんが、硬度の高い天然水はやや苦みがあり、飲むとお腹がゆるくなることがあるようです。便秘がちな方には有用かもしれませんが、あまり体にいいとはいえません。
水の硬度と料理、美容の関係
もっとも、硬度の高い水には、肉の臭みを取り除いたり、パスタを茹でたときにコシを出す、素材のアクを抜く、などの効果があるので、西洋料理には適しています。ただし、ミネラルには旨み成分が溶け出しにくいので、和風の出汁をとるには不向き。味噌汁や煮物などの和食には、硬度の低い日本の天然水が適しているといえるでしょう。
お茶やコーヒーもおいしく淹れられるので、茶道が日本で発達したのは「軟水の国」だからかもしれません。
また、軟水のミネラルバランスは人の体のミネラルバランスに近いので、胃腸に優しく、体への吸収がよいといわれています。このため、洗顔やシャンプーにおすすめなのも軟水。日本人の肌がキレイなのは水が良いから、といわれる所以です。