日本は水の国?
雨は多いけれど、降った水を貯めておくことは難しい
日本は水が豊かな国−そう考えている人は多いと思います。実際、日本の年間平均降水量は1,690mmで、世界平均の810mmと比べると約2倍。十分な降水量があるように見えます。生活に即して考えてみても、水を大量に必要とする稲作が古くから行われてきたり、「湯水のように使う」という言葉もあったりと、30年ほど前までは、容器に入った水を買うことなど思いもよらないことでした。
しかしながら、実は、日本の地形は水を利用しやすいものではありません。地図を広げるまでもなく、日本列島の大部分は山岳地帯であり、雨水は急流を通って海へ流れ出てしまうのです。季節ごとの降水量もバラつきが大きく、雪解けや台風のシーズンには河川が増水して溢れ出てしまうこともあるのに、雪解け前や夏の渇水期は水不足に悩まされることも…。だからこそ、古くから用水路やダムなどが整備されてきたわけです。
水道の蛇口からミネラルウォーター?!
地表を流れる河川が目に見える水源だとすれば、日本にはもう一つ「地下水」という重要な水源があります。たとえば、九州の中央に位置する熊本県熊本市は、人口50万人以上の都市としては日本で唯一、水道水のすべてを「地下水」でまかなっています。熊本では、約9万年前までに起きた阿蘇山の大噴火によって火砕流が厚く降り積もり、すきまに富んだ水を育みやすい土台ができあがりました。また、水が浸透しやすい性質の土地に水田を開いていったので、大量の水が地下に供給され、豊富な地下水が蓄えられたのだとか。その循環システムは、雨水を地下に貯める「天然のダム」といえそうです。
長い歳月をかけて磨かれる地下水は、ミネラル成分がバランス良く溶け込み、美味しくて体にも優しい水になります。蛇口をひねれば天然のミネラルウォーターが出てくるなんて、なんと恵まれた地域だと思いませんか?
同じ九州でも、雄大な霧島連山が磨き上げた天然水には、日本では数少ないミネラル成分「サルフェート」が豊富に含まれているそうです。残念ながら「水道水=天然水」という地域はごくわずか。健康のためには毎日たっぷり水を飲むことが欠かせません。自分の体と好みに合った水を探して、購入されてみてはいかがでしょうか。